温羅(うら)

温羅(うら)

温羅(うら)

温羅(うら)は、現在の岡山県を中心とする古代吉備地方に伝わる鬼神・伝承上の人物です。吉備津彦命(きびつひこのみこと)と戦った存在として知られ、伝承では総社市の鬼ノ城(きのじょう)を拠点としたと語られます。ただし、『古事記』『日本書紀』に温羅の名や詳しい戦いが記されているわけではなく、吉備津彦命による吉備平定の伝承を背景に、吉備津神社の縁起や地域伝承の中で物語が発展した存在と考えられます。

伝承では、温羅は百済から渡来した王、または異国から来た人物として語られます。吉備津彦命との戦いでは、岩を投げ、雉や鯉に姿を変えて逃れたとも伝えられ、鬼神としての異能が強く描かれています。敗れた後も、温羅の首が唸り続けたという話があり、この伝承は吉備津神社の御竈殿に伝わる鳴釜神事(なるかましんじ)の由来と結び付けられています。

一方で、温羅は単なる悪鬼としてだけ語られてきたわけではありません。別の語りでは、吉備に製鉄文化をもたらした存在と見る伝承もあり、地域によっては恐るべき敵であると同時に、霊的な力を持つ存在として扱われています。

後世には、吉備津彦命を桃太郎、温羅を鬼に重ねて語られることもあります。

温羅は、吉備津彦命の吉備平定、鬼ノ城伝承、鳴釜神事、桃太郎伝説との結び付きの中で形づくられた、吉備を代表する鬼神伝承の中心的存在です。

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再生時間【03:03】

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