温羅(うら/おんら)は、岡山県南部の吉備地方に伝わる古代の鬼で、鬼ノ城を拠点として一帯を支配していたといわれています。温羅は、目は野獣のように輝いていて凶悪な顔つきをしており、髭と髪は炎のように赤く伸びている異様な外見をしていました。また、身長は四メートルを超えていて怪力の持ち主で、空が飛べたり、変化や魔法を使えたりするとされています。温羅の出自については、文献によって異なりますが、出雲や九州や朝鮮半島南部などの異国から吉備にやってきたという説があります。温羅は、製鉄技術を吉備地域にもたらし、鬼ノ城を築いてそこに住みました。温羅は、その一帯を「吉備冠者」という名で支配し、人々に災いをなしていました。
吉備の人々は、この窮状を都に訴えましたが、都が派遣した武将たちは温羅に敵わず、倒すことができませんでした。そこで、今度は第7代孝霊天皇の皇子である五十狭芹彦命を派遣することにしました。五十狭芹彦命は、吉備津神社を本拠地として温羅と戦いましたが、温羅は石を投げて矢を撃ち落としたり、雉や鯉に化けて逃げたりしました。しかし、五十狭芹彦命は鷹や鵜に化けて追いかけて、ついに温羅の左眼を射抜き、捕らえることに成功しました。
温羅は、死の間際に悪行を悔いて改心し、五十狭芹彦命に「吉備冠者」の名を献上しました。これにより、五十狭芹彦命は吉備津彦命と呼ばれるようになりました。温羅の首は、さらされることになりましたが、その首には生気があり、時折目を見開いてはうなり声を上げました。気味悪く思った人々は吉備津彦命に相談し、吉備津彦命は犬に首を食わせて骨としましたが、静まることはありませんでした。次に吉備津彦命は吉備津神社の釜殿の地中深くに骨を埋めましたが、13年間うなり声は止まず、周辺に鳴り響きました。ある日、吉備津彦命の夢の中に温羅が現れ、温羅の妻の阿曽媛に釜殿の神饌を炊かせるよう告げました。このことを人々に伝えて神事を執り行うと、うなり声は鎮まりました。その後、温羅は吉凶を占う存在となり、吉備津神社の鳴釜神事に関わるようになりました。
引用:鬼 その異形なるもの
https://www.tazunearuki.info
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